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2015-07-10

わさびは英語でも〝WASABI〟

ちょやど記事

東京都

2015-07-10

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特有の辛味と香りが魅力の日本の味・わさび。食材としてはもちろん、毒消しや制ガン物質としても活躍する優れた辛味野菜である。
日本中に愛されているわさびは、日本中にさまざまな逸話を残していることだろう。今回は、その一端を紹介したい。

わさびの酢漬けが繋ぐ縁

鼻に抜ける豊かな香りに、キレのいい辛味、シャキシャキとした食感がたまらない、わさびの酢漬け。伊豆地方の名物としても知られ、酒の肴としても定評がある逸品だ。
そんなわさびの酢漬け、実は「御岳山にある宿坊・宝寿閣の当主が伊豆に伝えた」という話がある。
奥多摩は約400年前、伊豆を本拠とした江川太郎左衛門のとび藩だったという縁があり、古くから交流があったという。今でも伊豆と親交が深く、集落には〝伊豆ことば〟を話す人もいるそうだ。
奥多摩は、日本有数のワサビの産地で、渓流では、江戸時代からワサビが栽培されてきたという歴史がある。「自慢のわさびで作った品を、ぜひ友人に食べてほしい」…そんな思いから、わさびの酢漬けは広がっていったのかもしれない。

〝日本食〟のおいしさ、再発見

東京・奥多摩に位置する御岳山は、古くから御嶽神社の信仰が根付く霊山。多数の宿坊が点在する中、幕末以前からの歴史を持つ宿坊が、宝寿閣である。
古き良き時代の名残は、風情ある茅葺屋根の佇まいをはじめ、手作りの料理にも生かされている。
「神主が走り回ってとってきたものが〝ご馳走〟なのです」と話してくれるのは、宝寿閣の18代目当主。言葉通り、当主自ら季節の食材を求めて野山を駈けずり、みずみずしい山の幸を採ってくるのだ。それらの素材を活かすため、時間をかけて下ごしらえし、旨味を最大限に引き出す準備をしていく。御岳山の清らかな水と空気が育んだ食材に手間ひまをかけるのだから、おいしくないわけがない。
「日本食とは、こんなにおいしいものだったのか」と気づかせてくれるのが、古来の知恵が息づく宝寿閣の料理なのだ。