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ちょっと小宿まで。

2015-10-16

〝塩の泉〟が湧く村

ちょやど

長野県

2015-10-16

アイキャッチ画像

長野県・南アルプスの麓にある大鹿村。
標高750mの山奥でありながら「塩水」が湧き出るという不思議な村だ。
今回は、100年の歴史を持つ老舗宿・塩湯荘で、この〝塩〟の魅力にふれてみたい。

しょっぱい!

長野県の奥地、南アルプスの麓にある大鹿村では、海水に匹敵するほど塩分濃度が高い温泉が湧き出ている。
鹿が飲んでいたことから発見されたというこの温泉は、その名も「鹿塩(かしお)温泉」。
山奥でありながら、なぜこんなにも塩辛い温泉が湧くのか。
「大陸が動き、太古の海が山中に閉じこめられている」「弘法大師が杖で地面をたたいたら湧き出した」などもろもろ説があるが、現在もはっきりとはわかっていないという。
鹿塩温泉の成分を調べてみると、海と同程度のミネラルが含まれている一方、ニガリ成分がかなり少なく、ベタベタしないサッパリした塩水であるようだ。ちなみに、神経痛、慢性皮膚病、糖尿病、切り傷、慢性婦人病などに効果が期待できる。
あらゆる学問が進化していく現代で、いまだ解明されない鹿塩温泉の謎。
海とはまったく違うメカニズムで湧く不思議な〝塩の泉〟、ぜひ体感を。

大鹿のジビエ料理&塩料理

〝人の数より鹿の数の方が多い〟といわれている大鹿村では、鹿が害獣になるのを防ぐべく、食材として鹿肉を有効活用している。
新鮮で衛生的なジビエ(野生鳥獣肉)料理を提供するため、村には獣肉の加工工場もあるのだ。
ジビエ料理といえば刺身や時雨煮などが代表的だが、おいしさの幅を広げてジビエ料理の魅力を伝えようと、塩湯荘では欧州の献立を取り入れている。
また、鹿塩の塩を使った料理は、まろやかで深い味わいになるという。海水よりも人体に近い成分を持つため、安心して取り込めるのもうれしい。この源泉の塩で味付けした、塩湯荘一推しの「岩魚の塩湯干し」は、朝食で食べられる。
気軽に山を下りられない時代、村人の貴重な食用塩だったという鹿塩の塩。
大鹿村には、自然の恵みに感謝して共生する、古き良き暮らしが今も息づいている。